台つきツメ切り feat. ダイソー の巻

~ 3Dプリンターを使ってみよう ⑤ ~

毎日使うわけではないけど、うまく使えないとイライラしたりする。。。。ツメ切り。
私が作業療法士になったころ、某県のリハビリテーションセンターでツメ切りの自助具の研究発表をしているのを見たことがあって「そんなに一生懸命になるもんかなぁ」と思った事もありました(反省)。

いつもお付き合いしている100歳越えのおじいちゃんも、少し前から手の筋力が落ちてきていて。。。週に2回ヘルパーさんも来てくれるし、うちの看護師もお邪魔しているので「そんなの頼めばいいじゃん」とも思いますが、やっぱり自分でやりたいみたいです。

最近では100円均一のお店にもいろんな爪切りが並んでいて、なかには手の機能低下をある程度カバーしてくれるようなものもあるようです。

個人的に使いやすいと思うダイソーさんのつめ切り

今回はそもそも「ツメ切りを持っとくのが大変」ということなので、次の作戦として「ツメ切りを台に固定して持つ不便さを軽減する」ことにしました。こうするとツメを切るほうの指を入れやすくなりますし、レバーは反対の手全体で押してやればよくなります。

今回の作成のポイントの一つが緑色のパーツ。
本体の白いパーツはPLA(ポリ乳酸)と言われる樹脂で、私のような初心者でも比較的簡単に成形することができる素材です。
一方PLAは硬くてもろいため、今回のように「出来合いのものを嵌め込む」という場合には寸法精度がとてもシビアになってしまいます。
そこで調達したのがTPU(熱可塑性ポリウレタン)というゴム質の素材です。弾力性があるので嵌めるときの精度は素人レベルでも大きな問題なく作ることができました。。。。成形のための温度やら積層の速さなどPLAではあまり意識しなかった条件の設定があって現状やっと形になった感じですが。。。この辺調整の試行錯誤も楽しい!!

すっかり「3Dプリンター沼」に
はまっております(苦笑)

あと、ツメ切りといえば「ツメやすり」。ツメ切りについているものは台に固定してしまうと使いにくいので、これまたダイソーさんのツメやすりを分解して取り付けました。一応大きさに合わせてくぼみをつけてあります(取り付けは元々の両面テープをそのまま流用)。

100円ショップは
素材の宝庫!

そんなわけでお試し中。なかなかいいポジショニングになりました。
ちなみに。。。。足のツメは????

机に脚のせて切ってました!! 何という柔軟性! 恐るべし100歳オーバー(苦笑)

「内服だけどラムネがポン!」Max Heart Edition♡ の巻

~ 3Dプリンターを使ってみよう ④ ~

先日作った「内服だけどラムネがポン!」 お年寄りの内服管理の救世主としてご紹介したつもりでしたが。。。
ウチのスタッフの看護師さん曰く「アイデアは良いけど実用性が。。。」との貴重なご意見。
こんな時、追加したアイデアをすぐに形にできるのも3Dプリンターの魅力です。

追加したコンセプトがこちら
1. 内服管理に関係するほかの用途を兼ねる
2. お年寄りでも扱いやすい大きさ
3. かわいい
特に3番目の項目は、うちの会社では案外大きなポイントだったりします(笑)

で、こんな感じになりました。名付けて


「内服だけどラムネがポン!」Max Heart Edision♡

ハート型にすればかわいいという発想が。。。。(苦笑)

訪問看護あるある「薬どっか飛んでった (´・ω・`)問題」をなんとかできないかの巻

~ 3Dプリンターを使ってみよう ③ ~

自助具「内服だけどラムネがポン!」 爆誕!?

内服と言えば昔は「粉薬」が主流で飲んだらゲホンゲホンってそこらじゅうを粉だらけにするコントがTVでおなじみでしたが、最近ではめっきり見かけなくなりました。
で、主役は「錠剤」。透明なプラスチックシートのくぼみに薬の粒が入っていて、反対側のアルミ箔を破って出すという、明○製菓のヨーグ○ットとかハ○レモンなんかと(例えがいちいち分かりにくい? 伏字にするのも意味不明。。)同じような包装になっています。


この包装(PTP包装といいます)が広まるようになって、お年寄りの間に起こっているのが「薬どっか飛んでった(´・ω・`) 問題」です。
まあ、読んで字のごとくなのですが、小さな錠剤のPTP包装を1回分ずつ分けておいたら、いざ取り出す時にモタモタしていてどこかへ飛んで行っちゃうという。。。
そもそもPTP包装を1回分ずつ分けるのは良くない(包みのまま誤飲するのを防ぐためハサミなしには1つに切り離しできない)という前提から間違いを犯しているわけですが、お年寄りの「内服薬の管理」のやり方として「1回分ずつ切り離して保管」は「分包(錠剤をPTP包装から出して1回分ずつ分けて袋に入れてもらう)」より選択順位の高い方法で、結果「薬どっか飛んでった(´・ω・`)問題」は訪問看護に限らずお年寄りが内服する場面ではめっちゃあるあるな問題なわけです。


1. さて、どんなものを作りましょうか。

・1錠ずつに切り分けたPTP包装をセットして
・細かいこと考えずにギュっとしたら
・薬が飛んでいかずに出てくる
   という事を考えてイメージしたらこんな感じになりました。



2. データを作りましょう。

今回は複数のパーツを組み合わせて使う自助具。
それぞれのパーツを別のものとしてデータ作るのはややこしいなぁと思いましたが心配は無用で、パーツを組み合わせた状態で「Project」を作って、各パーツを「ボディー」として指定のファイル形式で保存できるという事が判明しました。
使うごとに賢くなります !(^^)!

PTP包装を置くベースになるパーツは同じものを2つ背中合わせに貼り合わせることにして、合計4つのパーツを成形しました。


3. とりあえず出来上がり!

実は、試作1号ではパーツごとの余裕が小さすぎてパーツが外れなくなったりと地味にやり直しして何とか実用レベルの試作3号機です。
まだなんか工夫の余地ありますね。

3Dプリンターでトイレを快適に?

~3Dプリンターを使ってみよう ②~

最近では個人のお宅のトイレもバリアフリー化されていて、近づいたら勝手にフタが開いたり、用を足したら自動で流してくれたりするものも出てきました。
しかし、いま私がお伺いしているお宅の多くは築20年くらいというところが多くて、おしりを洗ってくれる洗浄便座が一般的になってきた頃かな、という感じです。

そんなわけで用を足したら「振り返ってタンクの横のレバーを動かして水を流す」という動作が必要になるわけですが、この「振り返る(=身体をひねる)」という動作はかなり難易度の高いものだったりします。

パーキンソン病のAさんもそんな一人。近くに住むご家族の援助を受けながら一人暮らしをされていますが、少しづつ身体の動きが硬くなってきています。トイレは掃除も大変だしご家族に援助してもらうのは気が引ける、全自動の便器に交換したら少しはいいかと思ったけどやはり先立つものが。。。。
掃除のことはヘルパーさんにお願いすることにして、私が気になったのは「快適に使えているか?」ということ。
「立ったり座ったりは大丈夫?」
「それは大丈夫やけど、流すときのレバーが。。。あと5㎝近ければいいのに。」
「んじゃ、なんかします。」

1. さて、どんなものを作りましょうか。

上からキャップのようにかぶせる形にして、あとは回転の軸に合うようにツノのようなものを伸ばしてやればいいかな。本体のレバー部分がちょっと出っ張ってるのが面倒かなぁ。。。。
さて、かぶせるにはきちんと寸法取らないと。。。。お?


そこには燦然と輝く大手住宅設備メーカーのロゴが!!!

ここらあたりは最近非常に便利になっていて、メーカーには設計や施工のための製品情報を掲載しているサイトがあります。
TOTOさんの場合はこちら
https://www.com-et.com/jp/
すべての寸法が明記されているわけではありませんが、このレバーの場合、丸い部分の円周の直径やレバーの太さの情報が苦労することなく手に入りました。

2. データを作りましょう。

かぶせる部分はガタつかないように本体の寸法そのままにしました。
平面図を3D化するやり方は初心者的に試行錯誤して
① ツノと外周部分
② キャップのフタにあたる部分
に分けて「押し出し」した後要所を丸く「フィレット」加工しています。
当初、本体レバー部分の出っ張りに合わせて全部をかぶせられればいいと思ったのですが、初心者には無理そうなのでここは次回からの課題にしました(苦笑)

3. とりあえず出来上がり!

こんな感じ?

苦し紛れに穴にした本体レバー部分がちょっとしたアクセントとなっておりますね(笑)
重量配分をきちんと考えなかったのでレバーが少し回ったような状況になってしまいました(泣)
想定では伸ばしたレバーがタンクから少し顔を出すような感じになる予定でした。

とりあえずAさんの「あと5㎝」の要望には応えられたという事で、しばらく試してみていただこうと思います。


読書用虫眼鏡の枠ができるまで

~3Dプリンターを使ってみよう ①

週1回訪問している一人暮らしのおじいちゃんは、100歳越えでも読んだり書いたりが何よりの楽しみ。最近目がうとく(=見えにくく@石川弁)なってきたので拡大鏡が必須アイテムになっています。

この拡大鏡がかなりの年季物で「枠壊れてしもたしなんかならん?」とのご相談から今回のミッションです。虫眼鏡なんて100円均一のお店でも手に入りますが、ご老人は物を大切にされるのです(笑) あと、個人的に使ってみたいじゃないですか、3Dプリンター♡♡

1. フリーハンドで2Dの図面を描く

「3Dプリンターで何か作ってみよう」という人にはフィギア作ったりする「造形デザイン系」の人と「機械部品系」の大きく2つのタイプの人がいるだろうというのが個人的なイメージ。
私はむかし食器の製造会社でお客さん向けに新製品のモデルを作ったりしていたのでどちらかというと「機械部品系」。物を作る時にはなんとなく「図面ぽいもの」を描くところから作業を始めます。

イメージができたら、3Dプリンターを動かすためのファイルにしていきます。

2.3Dモデルの作成

3Dモデルを作る時に使用するのが「3DCAD」とか「3Dデザインソフト」とか呼ばれるソフト。本格的にやろうとすると結構な投資が必要になるのですが「非商用」の範囲でやる時には比較的安価に調達することができます。

個人用Fusion360
 https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/personal

TreeCAD
 https://www.freecadweb.org/?lang=ja

あ、どちらも無料のソフトでした(笑) 使い勝手のよさとか個人的な感覚も大きいと思いますし、なんといっても3D超初心者で評価するだけの技量もないので、私はFusion360の方を使っていこうかなと思っています。

私のような「図面(らしきもの)が描ける」レベルの初心者の場合、
①平面に外形図を描いてから厚みをつける(=押し出し)
②平面に断面図を描いてから「軸」に沿ってぐるりと回転させる(=回転)
のいずれかのやり方で立体のベースを作り、
③角の部分に丸みをつけ(=フィレット)たり斜めにカット(=面取り)していくという作戦で臨むのがわかりやすいようです。
今回は押し出しの方法を使って平面のイメージを立体化しました。
外枠については厚みが2種類あるので同じ厚みになる部分(=持ち手と外枠&レンズを受ける内側)に分けて外形図を描いています。

3.「スライサーソフト」で3Dプリンターを制御するファイルに

3DCADで作ったモデルは「形を作る空間内の点の位置の集まり」ですが、実際に3Dプリンターで造形しようとするときには
①積層の厚みにスライスしてそれぞれの位置を特定する
②柱状のものなどの場合「中身のつまり具合」をどうするのか決定する
③素材に合わせて加熱の温度や、ノズルを動かす速さを設定する
といった条件設定が必要になります。

これをやってくれるのが「スライサーソフト」と呼ばれるもので、使用する3Dプリンターに付属したものを使えばよいという事のようです。

スライサーソフトCura
https://ultimaker.com/ja/software/ultimaker-cura

ソフトの方に使用している3Dプリンターを登録すると、作業面(テーブル)の大きさやノズルの温度設定範囲、ノズルの速度などは記憶されているので、ユーザーはソフトが許してくれる範囲で設定変更することになります。

また、素材によって一般的な設定があるので、それをベースに少しいじって。。。みたいな感じになります。

テーブル広さがあれば、2つ一緒に造形するファイルをつくることもできます

4.いよいよ3Dプリンターを起動

さて、いよいよ3Dプリンターを使った造形の開始です。造形の前には
①テーブルが水平になっていることの確認
②基準点(特にZ軸の原点)がノズルと適切な感覚になっているかの確認
③素材の予熱とノズルつまりのチェック
などが必要になりますが、まあ、大した作業ではありません。

あとはスライスしたデータのファイルを読み込みしてスタートするだけです。

最初、素材がテーブルに密着するのを確認するまではうまくいくかみていた方がよいみたい。これくらいまで進んだらあとはプリンターに任せて帰っても大丈夫。音は紙のプリンターと同じくらいの感じです。

5.2時間と少しほったらかしにして置いたら完成

枠の厚みは薄いところでは2㎜以下ですが特に問題なく形になっています。外枠のレンズを受ける斜めのカットもキレイにできています。

外枠と内枠ははまらないとまずいので0.1㎜の直径差を取っています(動物的勘)が、0でもはまる感じです。ごくわずかにある隙間が瞬間接着剤を吸い取ってくれてあとの作業が楽でした。
はじめのイメージ図の内枠はレンズの厚みを十分考慮できていなくて、はめたら外枠と段違いになってしまって作り直ししたのは内緒です(笑)

いや、本気で楽しいです♡

「自助具工房えむ」に3Dプリンターが登場!!

作業療法士になる前プラスチックの食器製造会社に勤めていた私には、祖父や伯父の「ものづくりの血」が流れているようです。

まずは試運転から。後ろにあるのは小惑星イトカワのモデル(JAXAのデータ使用)

作業療法士になったのも「対象者の身体に触らないで支援する」アプローチがあることを知ったからで、「福祉用具はレンタルで」が主流になる今日「DIY系作業療法士」として細々とおせっかいを焼いているわけです。

そんな私のもとに、ついに! ついに3Dプリンターがやってきました!!

趣味と実益を兼ねて、少しずつおせっかいな道具作りに生かしていきたいと思っています。しかし、お小遣いレベルの出資でかなりきちんとしたものを作れる感じで、もしかするとこれは作業療法士を自助具へ回帰させるきっかけになるかもと思ったりします。

https://www.amazon.co.jp/ANYCUBIC-3D%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E5%8F%96%E6%89%B1%E8%AA%AC%E6%98%8E%E6%9B%B8%E4%BB%98%E5%B1%9E-Titan%E6%8A%BC%E5%87%BA%E6%A9%9F-3DPrinter/dp/B07J5P3SP9/ref=b2b_gw_d_bia_3?pd_rd_w=shRpd&pf_rd_p=4e83e93d-a0af-40d1-a5bb-64d12d861ec7&pf_rd_r=XTRDV6QFGQKQ866DB45Y&pd_rd_r=cef15815-e10b-4503-8f4e-d16755f00ef9&pd_rd_wg=cYqCn&pd_rd_i=B07J5P3SP9&psc=1

「経管ちゅるちゅる」が県の奨励賞を受賞しました。

顔ひきつってますね。。。

「自助具工房えむ」で取り組んでいた経管栄養剤注入用の加圧ポンプ「経管ちゅるちゅる」が第21回石川県バリアフリー社会推進賞において奨励賞を受賞しました!

表彰式は2月25日。折から新型コロナウィルスの騒ぎが広がってきて大変なところへ、知事自ら表彰の場にお越しくださいました。

受賞者一覧
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kousei/bariafree/syakaisuishinsyou_nyuusyou.html

もとより事業として成り立つような性格の取り組みではなく、当社の訪問看護(在宅リハビリテーション支援を含む)を利用されている方の生活上の不便を何とかしたいと始まった「プロジェクト(自称)」なのですが、こんな形で取り上げていただけたことに感謝です。

受賞作品の概要
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kousei/bariafree/documents/gaiyou21.pdf

端っこの方にいるつもりが、いつの間にか真ん中にきているの図

受賞作品には、地元で作業療法士を目指す養成学校の若者たちが考案したものもあり、「作業療法士は自助具の専門家」だと思っている私には、これもまた嬉しいことでした。

今回は(所属名を絶対入れて、とお願いしましたが)個人での受賞。企業としての受賞には、やはり「量産化」がポイントなのでしょうか。いまは趣味の延長のような取り組みですが、いつかは「個人のニーズに合わせた自助具作成のサービス」が企業活動として認知されるようになればいいと思っています。

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経管ちゅるちゅるは、中学生程度の裁縫技術(ミシン)があればだれでも作成可能です。材料や寸法など作り方については改めてご案内します。

また、「自助具工房えむ」では有償ボランティアの形で作成をお引き受けいたしますのでお問い合わせください。

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ひとつのスイッチ、一本の導線

SNSをやっていると、リハビリテーションや作業療法などの専門的な技術や情報交換のグループがあったりして、私もいくつかに参加しています。

今日はそこでお知り合いになった意思伝達装置ユーザーの方のお話です。私の地元とは遠く離れた南の方に住んでいる方ですが、リアルな状況での接触は全くないというちょっと今風な?関係だったりします。

どんな経緯で体がご不自由になったのかは聞いていないのですが、何かとってもクリエイティブな方で、「伝の心(意思伝達装置)」をコミュニケーション手段にしながらパソコンの「ペイント」機能を使って絵をかき、展示会なんかもやってるという、私の好きないわゆるツワモノな方なのでした。最近は「3Dペイント」の方にも興味があるようで。

その方からちょっと困ってるという投稿がありました。曰く「(最近使うようになった)マイクロスイッチが断線したみたいで、伝の心が使えない」と。さらに「前にうまく使えなかったPPSのスイッチをもう一度出してきて練習する」とも。

とりあえず「ちょっとおせっかい」な私としては、黙っているわけにはいかないのです。断線ならプラグだろうという事で、ご家族の方に分解してもらったりして。

最初見た時に右の方が怪しいなぁと思っていたのですが、改めて送ってくれた写真では思いっきり断線してますね。原因は延長コードの方でした。原因がはっきりしたので、あとは「電気屋さんでオーディオ用の延長コード買ってきてもらって交換しましょう」ということでめでたしめでたし。。。。なのですが。

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支援者として考えさせられることが2つほどありました。

その1 
 こんなに簡単に切れそうな導線を使うのはどうなの?

上の左の写真、ちょっと見にくいところもありますが、2本の導線は明らかに太さが違います。導線は太ければよいというわけではありませんが、あまり細いと何かのきっかけでちぎれてしまうという事を考慮する必要があると思います。また、左のプラグの方は、配線をはんだ付けした後に力がかかって取れたりしないように上からフィルム状の被膜をかけています。これを見るだけで、道具を使う人や環境を考えた、製作者の心づかいのようなものがうかがえます。一方右の方ははんだ付けがむき出しだし、そもそもプラグの形状に対して導線が細いのではんだ付けの部分に力が集中していつ断線しても不思議ではない状況です。意思伝達装置を使用されるユーザーにとって、スイッチが断線して使えなくなるなんて、かなり想定外の出来事で、とても不安な時間を過ごされたに違いありません。

その2 
 マイクロスイッチが使えるのに、PPSスイッチを導入するってどうなの?

上の写真がマイクロスイッチ。物理的に「カチカチ」して作動するスイッチで、身体が不自由になると「できる動き」に合わせたセッティングを工夫して使います。

下の写真はPPSスイッチ(のセンサー部分)。一般的には「カチカチ」することが困難になった方に使うものです。筋肉を活動させたときに、関節は動かないけれど皮膚のひきつれや膨隆ができる場合、それをキャッチしようとするものです。

今回の場合、上のようなスイッチの工夫で「カチカチ」できるにもかかわらず、PPSスイッチを導入しようとする動きがあったという話。機器の導入は、しっかり利用者の状況を評価しないとまずいんじゃないかということ。いくらいい機器を提供しても、利用される方に適合していないと結局使えないという事になってしまう。「制度上、抱き合わせで申請しないと」という事が仮にあったとしても、それとは別に現状に合った方法も準備すべきです。実際この方もうまく使えなくて、マイクロスイッチに出会うまでストレスありまくりだった様子です。

さらにいうと、このセンサーのつけ方はこの方にとって正しくない可能性があります(リアルに見せていただいたわけではないので断言は避けます)。便利に使えていたスイッチが突然使えなくなっての再練習の場面なので「正しい使い方を忘れた」という可能性はゼロではありませんが、以前導入したときに、正しい(効率的に操作できる)つけ方を指導されていなかった可能性も否定できません。

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ひとつのスイッチ、1本の導線。意思伝達装置のユーザーにとっては周囲とつながるまさにライフラインです。

技術が進んできて、意思伝達装置に関わらず自助具や福祉用具一般について「便利に使えそう」なものが増えてきました。ネットで検索したり、SNSで「〇〇で困っているんですが?」とか相談したりすると「◆◆がお勧め」とかいう何らかの情報が得られたりします。でも、その情報ってホントにその人のニーズに合ってるの?って感じることも多い気がしています。

私の「バーチャルおせっかい」は基本的に自己満足でやっているので役に立ったのかは。。。なのだけど、便利な道具が本当に便利に使えるか、は支援者による利用者の細かな観察、評価や心づかいに大きく依存するのだな、という事を改めて感じた週末の出来事でした。

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合同会社M-projectでは、「自助具工房えむ」として自助具の適合や作成の活動を行っています。お気軽にお問い合わせください。

経管ちゅるちゅる

嚥下障害などで口から食事が摂れなくなったとき、胃ろうを作って栄養補給することがあります。胃ろうや経管栄養についてはさまざまな議論もありますが、うちのステーションのご利用者には「胃ろうのおかげで100歳越えても一人ぐらし」というツワモノがいらっしゃいます。

「経管ちゅるちゅる」は半固形の栄養剤を胃ろうから注入するときの加圧ポンプとして作成しました。
大手医療器メーカーから「使い捨て」として発売されているものも構造を パクリ リスペクトして、数年のオーダーで使用できるものを目指しました。

「経管ちゅるちゅる」使用状況
       http://m-project.biz/media/KeikanChuruChuru.mp4

2018年10月にご利用者にお渡し、1日3回使用されていますが特に問題は起きていません。

杖かけくん

 歩行器を利用して移動する方は、短距離であれば杖を使って歩くことができる場合も多いもの。

 そんな方は「杖をもって歩行器で出かける」ということになります。ところが、歩行器には杖をかけておく場所(部品)がありません。

そこで作ったのが「杖かけくん」です。

100円ショップで売っていた「モップかけ」を利用しています。