~リモートで自助具作成の支援をやってみた「スイッチ端子の配線分岐のはなし」~
とある施設勤務の作業療法士KさんからSNSのメッセージを通じて「勤務先の利用者さんが使えるスイッチをナースコールにつなぎたいんですけど。。。」とご相談があったのは3月のこと。
最近電子基板の作業をしていなくて腕が鈍ってしまいそうだと思っていたので「ボランティアで工作してあげる」ということで自助具工房えむの番外編です。「マニアック作業療法士」を目指すなら基本的なテクニックなのでご紹介です。
※工作した機器はメーカーの保証対象外となります。あくまで支援者と使用者の理解のもとに行ってください※
利用者さんが使用しているワイヤレスコールはこれです。じつはすでに生産終了の製品なのですが、Kさんが〇マゾンの在庫を見つけてきてくれました。通販を利用すれば、工作前の製品の入手は依頼者任せにできるのでいいですね。今回は簡単な作業なので完成品の着払い送料のみで対応することにしました。
ふつうは送信機と受信機セットで調達することが多いかと思います
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B001LDQACM/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o01_s00?ie=UTF8&th=1
こちらの送信機は手の中に収まるサイズですが、工作するにはちょっと小さいというのが個人的印象。
さて 裏ブタを開けてみましょう
と、おもったら。。。。。。。。
裏ブタのネジが特殊形状でねじ回しが効かない。。。
→→→→ドリルでネジの頭を削ってしまうことにしました。
と、いうわけでようやく目的の電子回路の基盤が姿を現しました。
大きな本体のわりに基板や部品は小さくて空きスペースがたくさんあります。手のひらサイズの送信機だとこれがギッチギチに詰まった状態になっています。
小さな部品ははんだ付けするには苦労しますが、空きスペースは追加する部品やコードを収めるのに役立ちます。
電子回路の詳しいことについてはわからなかったりしますが、ワイヤレス製品にはコイル型のアンテナがついているのが特徴ですね。
今回 工作の対象になるのがスイッチです。本体の押しボタンが直径40mmほどもあるのに対して部品はせいぜい10mm四方くらい。
スイッチの端子に枝分かれの配線をつなぎます
スイッチの部品は「押したときに2つの接点AとBの間に電気を通す」のが役割なので、AとBの接点に枝分かれの配線を取り付ければユーザーの使いやすいスイッチを使用することができるようになります。
どの接点(スイッチ部品の足)を枝分かれさせるかは「テスター」を使って確認するのが確実です。
ユーザーが使うスイッチをつなぐためのコードを取り回しします。本体の外へ出す配線の場所と、そのための穴あけを忘れると大変なことになります。
使用しているときに工作部分が取れたりしないようにコードをホットボンドで固定しました。
コードの先にはオーディオなどでも使われるΦ3.5mmモノラルジャックがついています。電子部品の販売店などで部品を調達することができますが、面倒な場合は「電気屋さんで売っているオーディオ用のモノラル延長コード」を切って使うことも可能です。
枝分かれさせる端子が近すぎるとはんだ付けしたときにショートさせてしまう恐れがあるので、はす向かいの端子を枝分かれさせました。プラスとかマイナスとか考慮する必要はないので、裸の線がなるべく顔を出さないように取り回ししています。
はんだ付けの技術は、玉の形を大きさを見ると分かるそう。もともと基盤についている青い部品のつけ方と比べると。。。。。。。。まあ、久しぶりだし。
できあがり
元通りに(※)ふたをして乾電池を入れ、手持ちのスイッチで動作確認しました。っていうか送信機しかないのでパイロットランプが点灯することの確認を。
※ふたを留めていたネジの頭を削ってしまったのでホットボンドで接着しています。。。
出来上がったスイッチは、クロネコヤマトで神奈川県へ。。。今回は、ユーザーの方の顔も知らないような状況でのお手伝いでした。支援者の作業療法士さんもSNSプロフィールページ写真(浜辺でぴょんぴょんしているおちゃめな写真)しか知らないという。。。
こういう形でも「ちょっとおせっかい」はできるというお話でした。
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