~3Dプリンターを使ってみよう ①~
週1回訪問している一人暮らしのおじいちゃんは、100歳越えでも読んだり書いたりが何よりの楽しみ。最近目がうとく(=見えにくく@石川弁)なってきたので拡大鏡が必須アイテムになっています。
この拡大鏡がかなりの年季物で「枠壊れてしもたしなんかならん?」とのご相談から今回のミッションです。虫眼鏡なんて100円均一のお店でも手に入りますが、ご老人は物を大切にされるのです(笑) あと、個人的に使ってみたいじゃないですか、3Dプリンター♡♡
1. フリーハンドで2Dの図面を描く
「3Dプリンターで何か作ってみよう」という人にはフィギア作ったりする「造形デザイン系」の人と「機械部品系」の大きく2つのタイプの人がいるだろうというのが個人的なイメージ。
私はむかし食器の製造会社でお客さん向けに新製品のモデルを作ったりしていたのでどちらかというと「機械部品系」。物を作る時にはなんとなく「図面ぽいもの」を描くところから作業を始めます。
イメージができたら、3Dプリンターを動かすためのファイルにしていきます。
2.3Dモデルの作成
3Dモデルを作る時に使用するのが「3DCAD」とか「3Dデザインソフト」とか呼ばれるソフト。本格的にやろうとすると結構な投資が必要になるのですが「非商用」の範囲でやる時には比較的安価に調達することができます。
個人用Fusion360
https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/personal
TreeCAD
https://www.freecadweb.org/?lang=ja
あ、どちらも無料のソフトでした(笑) 使い勝手のよさとか個人的な感覚も大きいと思いますし、なんといっても3D超初心者で評価するだけの技量もないので、私はFusion360の方を使っていこうかなと思っています。
私のような「図面(らしきもの)が描ける」レベルの初心者の場合、
①平面に外形図を描いてから厚みをつける(=押し出し)
②平面に断面図を描いてから「軸」に沿ってぐるりと回転させる(=回転)
のいずれかのやり方で立体のベースを作り、
③角の部分に丸みをつけ(=フィレット)たり斜めにカット(=面取り)していくという作戦で臨むのがわかりやすいようです。
今回は押し出しの方法を使って平面のイメージを立体化しました。
外枠については厚みが2種類あるので同じ厚みになる部分(=持ち手と外枠&レンズを受ける内側)に分けて外形図を描いています。
3.「スライサーソフト」で3Dプリンターを制御するファイルに
3DCADで作ったモデルは「形を作る空間内の点の位置の集まり」ですが、実際に3Dプリンターで造形しようとするときには
①積層の厚みにスライスしてそれぞれの位置を特定する
②柱状のものなどの場合「中身のつまり具合」をどうするのか決定する
③素材に合わせて加熱の温度や、ノズルを動かす速さを設定する
といった条件設定が必要になります。
これをやってくれるのが「スライサーソフト」と呼ばれるもので、使用する3Dプリンターに付属したものを使えばよいという事のようです。
スライサーソフトCura
https://ultimaker.com/ja/software/ultimaker-cura
ソフトの方に使用している3Dプリンターを登録すると、作業面(テーブル)の大きさやノズルの温度設定範囲、ノズルの速度などは記憶されているので、ユーザーはソフトが許してくれる範囲で設定変更することになります。
また、素材によって一般的な設定があるので、それをベースに少しいじって。。。みたいな感じになります。
4.いよいよ3Dプリンターを起動
さて、いよいよ3Dプリンターを使った造形の開始です。造形の前には
①テーブルが水平になっていることの確認
②基準点(特にZ軸の原点)がノズルと適切な感覚になっているかの確認
③素材の予熱とノズルつまりのチェック
などが必要になりますが、まあ、大した作業ではありません。
あとはスライスしたデータのファイルを読み込みしてスタートするだけです。
5.2時間と少しほったらかしにして置いたら完成
枠の厚みは薄いところでは2㎜以下ですが特に問題なく形になっています。外枠のレンズを受ける斜めのカットもキレイにできています。
外枠と内枠ははまらないとまずいので0.1㎜の直径差を取っています(動物的勘)が、0でもはまる感じです。ごくわずかにある隙間が瞬間接着剤を吸い取ってくれてあとの作業が楽でした。
はじめのイメージ図の内枠はレンズの厚みを十分考慮できていなくて、はめたら外枠と段違いになってしまって作り直ししたのは内緒です(笑)
いや、本気で楽しいです♡
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