~3Dプリンターを使ってみよう ②~

最近では個人のお宅のトイレもバリアフリー化されていて、近づいたら勝手にフタが開いたり、用を足したら自動で流してくれたりするものも出てきました。
しかし、いま私がお伺いしているお宅の多くは築20年くらいというところが多くて、おしりを洗ってくれる洗浄便座が一般的になってきた頃かな、という感じです。

そんなわけで用を足したら「振り返ってタンクの横のレバーを動かして水を流す」という動作が必要になるわけですが、この「振り返る(=身体をひねる)」という動作はかなり難易度の高いものだったりします。

パーキンソン病のAさんもそんな一人。近くに住むご家族の援助を受けながら一人暮らしをされていますが、少しづつ身体の動きが硬くなってきています。トイレは掃除も大変だしご家族に援助してもらうのは気が引ける、全自動の便器に交換したら少しはいいかと思ったけどやはり先立つものが。。。。
掃除のことはヘルパーさんにお願いすることにして、私が気になったのは「快適に使えているか?」ということ。
「立ったり座ったりは大丈夫?」
「それは大丈夫やけど、流すときのレバーが。。。あと5㎝近ければいいのに。」
「んじゃ、なんかします。」

1. さて、どんなものを作りましょうか。

上からキャップのようにかぶせる形にして、あとは回転の軸に合うようにツノのようなものを伸ばしてやればいいかな。本体のレバー部分がちょっと出っ張ってるのが面倒かなぁ。。。。
さて、かぶせるにはきちんと寸法取らないと。。。。お?


そこには燦然と輝く大手住宅設備メーカーのロゴが!!!

ここらあたりは最近非常に便利になっていて、メーカーには設計や施工のための製品情報を掲載しているサイトがあります。
TOTOさんの場合はこちら
https://www.com-et.com/jp/
すべての寸法が明記されているわけではありませんが、このレバーの場合、丸い部分の円周の直径やレバーの太さの情報が苦労することなく手に入りました。

2. データを作りましょう。

かぶせる部分はガタつかないように本体の寸法そのままにしました。
平面図を3D化するやり方は初心者的に試行錯誤して
① ツノと外周部分
② キャップのフタにあたる部分
に分けて「押し出し」した後要所を丸く「フィレット」加工しています。
当初、本体レバー部分の出っ張りに合わせて全部をかぶせられればいいと思ったのですが、初心者には無理そうなのでここは次回からの課題にしました(苦笑)

3. とりあえず出来上がり!

こんな感じ?

苦し紛れに穴にした本体レバー部分がちょっとしたアクセントとなっておりますね(笑)
重量配分をきちんと考えなかったのでレバーが少し回ったような状況になってしまいました(泣)
想定では伸ばしたレバーがタンクから少し顔を出すような感じになる予定でした。

とりあえずAさんの「あと5㎝」の要望には応えられたという事で、しばらく試してみていただこうと思います。


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