「経管ちゅるちゅる」が県の奨励賞を受賞しました。

顔ひきつってますね。。。

「自助具工房えむ」で取り組んでいた経管栄養剤注入用の加圧ポンプ「経管ちゅるちゅる」が第21回石川県バリアフリー社会推進賞において奨励賞を受賞しました!

表彰式は2月25日。折から新型コロナウィルスの騒ぎが広がってきて大変なところへ、知事自ら表彰の場にお越しくださいました。

受賞者一覧
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kousei/bariafree/syakaisuishinsyou_nyuusyou.html

もとより事業として成り立つような性格の取り組みではなく、当社の訪問看護(在宅リハビリテーション支援を含む)を利用されている方の生活上の不便を何とかしたいと始まった「プロジェクト(自称)」なのですが、こんな形で取り上げていただけたことに感謝です。

受賞作品の概要
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kousei/bariafree/documents/gaiyou21.pdf

端っこの方にいるつもりが、いつの間にか真ん中にきているの図

受賞作品には、地元で作業療法士を目指す養成学校の若者たちが考案したものもあり、「作業療法士は自助具の専門家」だと思っている私には、これもまた嬉しいことでした。

今回は(所属名を絶対入れて、とお願いしましたが)個人での受賞。企業としての受賞には、やはり「量産化」がポイントなのでしょうか。いまは趣味の延長のような取り組みですが、いつかは「個人のニーズに合わせた自助具作成のサービス」が企業活動として認知されるようになればいいと思っています。

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経管ちゅるちゅるは、中学生程度の裁縫技術(ミシン)があればだれでも作成可能です。材料や寸法など作り方については改めてご案内します。

また、「自助具工房えむ」では有償ボランティアの形で作成をお引き受けいたしますのでお問い合わせください。

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ひとつのスイッチ、一本の導線

SNSをやっていると、リハビリテーションや作業療法などの専門的な技術や情報交換のグループがあったりして、私もいくつかに参加しています。

今日はそこでお知り合いになった意思伝達装置ユーザーの方のお話です。私の地元とは遠く離れた南の方に住んでいる方ですが、リアルな状況での接触は全くないというちょっと今風な?関係だったりします。

どんな経緯で体がご不自由になったのかは聞いていないのですが、何かとってもクリエイティブな方で、「伝の心(意思伝達装置)」をコミュニケーション手段にしながらパソコンの「ペイント」機能を使って絵をかき、展示会なんかもやってるという、私の好きないわゆるツワモノな方なのでした。最近は「3Dペイント」の方にも興味があるようで。

その方からちょっと困ってるという投稿がありました。曰く「(最近使うようになった)マイクロスイッチが断線したみたいで、伝の心が使えない」と。さらに「前にうまく使えなかったPPSのスイッチをもう一度出してきて練習する」とも。

とりあえず「ちょっとおせっかい」な私としては、黙っているわけにはいかないのです。断線ならプラグだろうという事で、ご家族の方に分解してもらったりして。

最初見た時に右の方が怪しいなぁと思っていたのですが、改めて送ってくれた写真では思いっきり断線してますね。原因は延長コードの方でした。原因がはっきりしたので、あとは「電気屋さんでオーディオ用の延長コード買ってきてもらって交換しましょう」ということでめでたしめでたし。。。。なのですが。

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支援者として考えさせられることが2つほどありました。

その1 こんなに簡単に切れそうな導線を使うのはどうなの?

上の左の写真、ちょっと見にくいところもありますが、2本の導線は明らかに太さが違います。導線は太ければよいというわけではありませんが、あまり細いと何かのきっかけでちぎれてしまうという事を考慮する必要があると思います。また、左のプラグの方は、配線をはんだ付けした後に力がかかって取れたりしないように上からフィルム状の被膜をかけています。これを見るだけで、道具を使う人や環境を考えた、製作者の心づかいのようなものがうかがえます。一方右の方ははんだ付けがむき出しだし、そもそもプラグの形状に対して導線が細いのではんだ付けの部分に力が集中していつ断線しても不思議ではない状況です。意思伝達装置を使用されるユーザーにとって、スイッチが断線して使えなくなるなんて、かなり想定外の出来事で、とても不安な時間を過ごされたに違いありません。

その2 マイクロスイッチが使えるのに、PPSスイッチを導入するってどうなの?

上の写真がマイクロスイッチ。物理的に「カチカチ」して作動するスイッチで、身体が不自由になると「できる動き」に合わせたセッティングを工夫して使います。

下の写真はPPSスイッチ(のセンサー部分)。一般的には「カチカチ」することが困難になった方に使うものです。筋肉を活動させたときに、関節は動かないけれど皮膚のひきつれや膨隆ができる場合、それをキャッチしようとするものです。

今回の場合、上のようなスイッチの工夫で「カチカチ」できるにもかかわらず、PPSスイッチを導入しようとする動きがあったという話。機器の導入は、しっかり利用者の状況を評価しないとまずいんじゃないかということ。いくらいい機器を提供しても、利用される方に適合していないと結局使えないという事になってしまう。「制度上、抱き合わせで申請しないと」という事が仮にあったとしても、それとは別に現状に合った方法も準備すべきです。実際この方もうまく使えなくて、マイクロスイッチに出会うまでストレスありまくりだった様子です。

さらにいうと、このセンサーのつけ方はこの方にとって正しくない可能性があります(リアルに見せていただいたわけではないので断言は避けます)。便利に使えていたスイッチが突然使えなくなっての再練習の場面なので「正しい使い方を忘れた」という可能性はゼロではありませんが、以前導入したときに、正しい(効率的に操作できる)つけ方を指導されていなかった可能性も否定できません。

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ひとつのスイッチ、1本の導線。意思伝達装置のユーザーにとっては周囲とつながるまさにライフラインです。

技術が進んできて、意思伝達装置に関わらず自助具や福祉用具一般について「便利に使えそう」なものが増えてきました。ネットで検索したり、SNSで「〇〇で困っているんですが?」とか相談したりすると「◆◆がお勧め」とかいう何らかの情報が得られたりします。でも、その情報ってホントにその人のニーズに合ってるの?って感じることも多い気がしています。

私の「バーチャルおせっかい」は基本的に自己満足でやっているので役に立ったのかは。。。なのだけど、便利な道具が本当に便利に使えるか、は支援者による利用者の細かな観察、評価や心づかいに大きく依存するのだな、という事を改めて感じた週末の出来事でした。

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合同会社M-projectでは、「自助具工房えむ」として自助具の適合や作成の活動を行っています。お気軽にお問い合わせください。

経管ちゅるちゅる

嚥下障害などで口から食事が摂れなくなったとき、胃ろうを作って栄養補給することがあります。胃ろうや経管栄養についてはさまざまな議論もありますが、うちのステーションのご利用者には「胃ろうのおかげで100歳越えても一人ぐらし」というツワモノがいらっしゃいます。

「経管ちゅるちゅる」は半固形の栄養剤を胃ろうから注入するときの加圧ポンプとして作成しました。
大手医療器メーカーから「使い捨て」として発売されているものも構造を パクリ リスペクトして、数年のオーダーで使用できるものを目指しました。

「経管ちゅるちゅる」使用状況
       http://m-project.biz/media/KeikanChuruChuru.mp4

2018年10月にご利用者にお渡し、1日3回使用されていますが特に問題は起きていません。

杖かけくん

 歩行器を利用して移動する方は、短距離であれば杖を使って歩くことができる場合も多いもの。

 そんな方は「杖をもって歩行器で出かける」ということになります。ところが、歩行器には杖をかけておく場所(部品)がありません。

そこで作ったのが「杖かけくん」です。

100円ショップで売っていた「モップかけ」を利用しています。

ちょいもちくん

脳卒中で片麻痺(いわゆる半身不随)になると、両手を使った作業が非常に不便になります。

利き手交換の練習をして、今まで使っていなかった手で字を書いたり、はさみを使ったりできるようになる方もおられるのですが「モノを押さえておく」のが難しくなるので細かい作業に不自由です。

「ちょいもちくん」は片麻痺の方が内服薬の管理をするために作りました。

ヒート(ラムネ菓子みたいに薬が10錠くらいならんで収まっている)から薬を1錠ずつ切り離したり、薬袋を1包ずつ切り離したりするときに「ちょいもち」してくれます。