~石の上にも30年~
 ~凄くはないけどそこにいる話~

このたび、公益社団法人日本糖尿病協会より「小児期発症の1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)の患者で、一般社会、スポーツ、文化、科学、芸術などで活躍する者や、キャンプスタッフとしての貢献の著しい者」に与えられるガリクソン賞を受賞しました。地元石川を中心にサマーキャンプが生まれたのが1975年。私が1型糖尿病を発症したのが1976年でしたか。自身の病歴よりきちんと由来を言える、そんなキャンプにまつわることで褒めていただけるのはこの上なく嬉しいことで、深く感謝申し上げます。協会に私を推薦してくださった運営委員会の皆様、さらには「なんかわからんけどいつもいるおじさん」を暖かく受け入れてくださるサマーキャンプ関係者の皆様にも重ねてお礼申し上げます。

今、アメリカMLBロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が日米のプロ野球界をにぎわせていますが、この賞を創設されたビル・ガリクソン氏も元プロ野球選手。MLBから1988年に日本の読売巨人軍に移籍され、2年間で21勝14敗の成績を残しておられます。当時「インスリンしながらプロスポーツ」は野球界にも、そして糖尿病界隈?にも衝撃を与える出来事でした。

私自身はそのころポストキャンパーも卒業してキャンプの舞台裏にも顔を出させていただくようになった頃でした。それ以降、インスリンしながら活躍される方が各方面で取り上げられるようになりました。野球、エアロビクス、サッカー。文系では囲碁とか。みなさんいわゆる「凄い人」たちなのですが、ガリクソン氏が登場した当時、私にはその「凄さ」の取り上げられ方を素直に受け入れられなかった記憶があります。

「病気」と「闘って」「克服する」のはしんどかったから。「低血糖で意識朦朧となりながらもトレーニングを続けた(ガリクソン氏の話ではありませんが実話)」なんて、文字通り死んでも嫌だったし、なるべくゆるく力入れずに糖尿病と付き合いたいと思っていたのです。幸い私の相棒(糖尿病)は私に似たのか穏やかな奴で、おかげで大きな失敗なく過ごすことができていました。まあ、単に手抜きのズボラだったのかもしれませんが。

運営委員会の稲垣美智子先生の「キャンプは、1年に1度みんなが帰ってくる実家みたいな場所でありたい」との言葉にも甘えて、私は「全然凄くない」ことをサマーキャンプでの自分の存在意義にしたいと思ったのでした。

凄くないけど「いつもいる」。石の上にもなんとやらではありませんが、成人してから30年以上、子供時代からだと40年を越えて「いつもいる」のでありました。

下手の横好きで写真を撮ったりしているうちにキャンプ開設40周年には記念誌の編集を任せていただいたり、少しは役に立つ存在になったかなあと思うようになった去年、キャンプは突然中止になりました。おのれコロナウィルスめ~!!! 

でも、仮に不急であっても絶対必要なサマーキャンプ、必ず帰ってくる日がやってきます。で、私はまた「凄くないけどいつもいる」のだと思います。きっと。そして、ずっと。

あ 会社潰れなければね💛

2 Responses

  1. 光田さん。おめでとう!そしてありがとう。
    ”いつもそこにいる”こと・・・。本当だね。光田さんの発する言葉にいつも「ほんとだ―」と思わされます。これが光田さんですね。ガリクソン相は、本当に凄くて、そのうえ素敵な賞です。ホントにほんとにおめでとう!

    • 先生 コメントをありがとうございます。
      本当に皆様のおかげと感謝しています。
      今年の夏も残念ながらリアルのサマーキャンプは開催できないということですが、秋に「バーチャルキャンプ」と称したイベントが行われるようなので、「いつもいる」私としてはやはり何らかの形で参加させていただければと思っています。
      しばらくリアルでお目にかかることが難しい状況が続きますが、また元気に顔を合わせられることを。

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